
この一枚が、管路の形態を意識して写真におさめた最初の一枚だ。2008 年ごろ、 渋谷の宮益坂のあたりだったかと思うが、記憶ももう曖昧だし、今になって Google ストリートビューでその辺りを探してみても、通りに面してこういう管路がある場 所は見当たらない。
当時も今も、街を歩きながら妙に気にかかるものを見つけては写真に収めるのが 休日の楽しみだった。だが、どうも、対象が曖昧もことしていて、路地の奥行き感 とか、よくわからない看板とか、なんでもない草花とか、そういうものを何気なく撮っ ていた。明確な意思というよりも、その場で感覚的に美しいとか面白いと思った光 景を撮っていた感じ。
だが、この現場に立ち会った時には、これはすごいものを見た、と、思い、思わ ずシャッターを切った。その一方で、なんでこれを撮ったのか、と聞かれると、だっ て、管がたくさん並んでるから、としか答えられない。これ、かっこいいと思わない? 反復する形態には何かと弱い。建物の柱がずーっと並んでいたりとか、なぜかそう いうものに弱い。なぜかと問われても理由などない。No Reason
今となっては、一番外側の管が直角に曲がる部分を撮れずに欠けていることが悔 やまれる。が、この光景を収めたことが、都市空間における管路の形態を追い始め たことだけは確かなのだ。
