都市空間における管路の形態

不在

2018年7月 / 両国

そこにいるはずのあなたが、居ない。
ぽっかり開いた隙間と、それでもあり続けるパイプ。
と、いう光景は、気になってしまう。なにがあったの?


おばあちゃんも、もう歳だから、ガス火を使うのが心配で。
そういうことだろうか。例えば。
オール電化にすれば、安心便利。
なんてことかもしれない。

ただ、それだけのことかもしれないが。
そこにいるはずのあなたが、居ない。

ぽっかり開いた隙間と。
どこかに旅立ったあなたの行った先と。
埋められないなんらかの存在と。
それでも、そこにあるパイプ。

ひぐらしの声が聞こえてくる。

あるいは、ガス。
届けられるべくして送られたガスが。
その先から進めずに居る。
行き場もなく。

一方通行の先の行き止まり。
生まれるべくして、ガスに生まれた分子たちの。
声なき声が聞こえる。

そこにいるはずのあなたが、居ない。
ただ、それだけの光景から。

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